コラム

従業員満足度が高い企業・低い企業の特徴とは?低満足度の原因と対策をチェック

近年、従業員満足度を重要視する企業が増えています。しかし、実際に従業員満足度を調べたり、課題に対して対策したりしているでしょうか。なかには従業員満足度の知識が乏しい場合もあるでしょう。
そこで、今回は従業員満足度の概要から、高い企業と低い企業の特徴などをご紹介します。

従業員満足度とは

従業員満足度とは、企業で働く従業員の満足度を示した指標です。「ES(Employee Satisfaction)」とも呼ばれています。従業員満足度に関係する要素には、給料や役職などだけではなく、職場環境や仕事へのやりがいなども含まれます。

従業員満足度が高い・低い企業の特徴

従業員満足度が高い企業、低い企業にはそれぞれに特徴があります。下記の内容をご確認のうえ、自社の状態と比較しましょう。

高い企業

従業員満足度が高い企業は、従業員が仕事にやりがいを感じモチベーションを維持できることから、生産性の高さが見られます。

モチベーションが高い従業員が集まることで、職場の雰囲気がよくなり、企業経営全般が好循環に回っている状態です。

低い企業

一方、従業員満足度が低い企業は、経営陣や幹部、管理職が部下の要望を取り入れない傾向が見られます。これは、変化を好まない企業はなかなか従業員の意見や要望を取り入れないからです。

組織としての団結力や結束力が欠ける特徴もあり、さまざまな課題を抱える企業と言えます。最終的には従業員が離職しやすい職場体質になり、人材が定着しない特徴が見られます。

従業員満足度の構成要素

従業員満足度の構成要素には、下記の7つの内容があげられます。

企業理念

まずは従業員がどれだけ企業理念に共感をしているかです。企業が掲げる理念、さらには行動方針と従業員自らの想いが共感していると、仕事に対してストレスを感じにくいです。

一方で企業理念に共感できない従業員は、日々の業務などにおいても納得できないことが増えていき、意欲の低下につながります。また、そもそも企業理念に共感できなければ組織としての団結力が欠如してしまいます。

仕事内容・職責

次は従業員自らが仕事内容や職責に満足しているかです。自分のスキルや能力を存分に活かせる仕事であれば、誇りをもって取り組めます。また、仕事を通じて自己成長を目指すようになり、満足度も高まるでしょう。

マネジメント

マネジメントや自分自身への評価も従業員満足度に影響します。管理職や上司から適切な業務指示があり、こなした内容に対して適正な評価がなされると、従業員満足度が高まります。

それが組織全体に行き届くことで、組織力が高まり課題解決や業績向上に好影響をもたらします。

社内の人間関係

現代において人間関係は従業員満足度に大きく影響すると言っていいでしょう。上司や同僚、部下との人間関係が良好でなければ、互いに意見を共有する場が少なくなります。

コミュニケーションの機会が少ない組織は、さまざまな面で活発になれず、生産性の悪化につながります。一方で人間関係が良好な企業であれば、活発な議論から新サービスの開発などの好循環をもたらすでしょう。

職場環境

人間関係と同様に、職場環境も従業員満足度にかかわります。「自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる」「適切な業務量である」など、快適な環境で仕事ができると、従業員満足度が向上します。

特に近年ではテレワークの普及から働く場所が多様化しました。オフィス勤務の際においても、テレワークと同様の働き方ができることが求められます。

待遇・給料

待遇や給料への満足は数字としてわかりやすいため、評価基準として重視している従業員もいるでしょう。どの従業員も自分の働きぶりを評価して欲しいと思っているからです。

そのため、成果に応じた給料やインセンティブが支払われていたり、ポジションを与えられたりすると、従業員満足度が向上します。近年ではキャリアアップなどを目的とした転職が一般的になってきた為、同業他社の水準と比較しても妥当であることが求められます。

福利厚生

福利厚生は各種手当の他にも、休暇制度やスキルアップのための仕組み・制度があげられます。なかでも各種手当と休暇に関して充実していると、従業員満足度が高まります。福利厚生に関しては、項目が多くなるほど従業員満足度が高まる傾向です。

従業員満足度が向上するメリット

さまざまな要素を満たし従業員満足度が向上すると、下記のようなメリットが生まれます。

生産性の向上

まずは生産性の向上があげられます。すでにご紹介したように、満足度が高まれば従業員が能動的に業務をこなすようになります。そのような従業員が増えることで、生産性の向上につながるのです。

生産性の向上は企業にとって大きなメリットです。集客や売上の向上につながれば、企業にイノベーションが起きやすくなるでしょう。

離職率の低下

次は離職率の低下です。従業員満足度の高さは、企業への帰属意識の高さと言ってもいいでしょう。帰属意識が高ければ、企業に長く勤めたいと感じるものです。

また、知人や友人に自社を勧めたいとも感じるようになり、企業の魅力が増していきます。従業員からのリファラル採用によって、企業は人材採用のコストを抑えることも可能です。

顧客満足度の向上

従業員満足度が高いことで、自社商品やサービスを積極的に分析する従業員が増えます。その結果、顧客の声なども深く分析して、課題改善に前向きに取り組みます。顧客が抱える課題を改善することで、顧客満足度の向上につながります。

つまり、従業員満足度を高めることが顧客満足度の向上のメリットをもたらすのです。

従業員満足度が低い原因と対策

従業員満足度が低い原因と対策を、要素ごとに解説します。

企業理念の場合

企業理念への共感ができない原因には、理解不足や解釈のずれがあげられます。また、そもそも企業理念を把握していない従業員もいるでしょう。

対策としては継続的な発信、クレドカードの発行などがあげられます。特に継続的な発信が重要であり、浸透率を高めます。

仕事内容・職責の場合

仕事内容や職責に不満がある場合の原因には、性格・能力がマッチしていないことがあげられます。その際は、裁量を与えたりスキルマップから人員配置を変えたりする対策があります。

マネジメントの場合

マネジメントに納得できていない理由には、上司の接し方が従業員ごとに違うことやコミュニケーション不足などがあげられます。対策としては、上司へのマネジメント研修、上司と部下の1on1ミーティングの機会を増やすことが考えられます。

社内の人間関係の場合

社内の人間関係が良好でない原因には、従業員同士の価値観が合わないことや、テレワークがメインで多くの人と接したことがない点などがあります。

対策はメンタルケアや、チャットなどのコミュニケーションツールの積極的な活用などがあげられます。

職場環境の場合

職場環境が合わない原因には、業務量が不適切なことやオフィスとテレワークで同じパフォーマンスが出せないことなどがあげられます。

対策は生産性が高い従業員の業務フローをモデルにすることや、テレワーク時のモニタリングをすることが有効です。

待遇・給料の場合

待遇や給料に満足できない原因としては、昇給基準があいまいだったり、成果を出していない従業員と同じ報酬だったりする点があげられます。

対策は成果主義やインセンティブ制度の導入、面談等で昇給に向けたフィードバックなどがあります。

福利厚生の場合

福利厚生に満足できていない原因には、そもそも福利厚生がないことや、休暇の申請がしにくい職場風土などがあげられます。

予算内でできることからスタートし、福利厚生制度や申請フローの告知へとつなげてください。

従業員満足度を向上させよう

従業員満足度は顧客満足度、ひいては企業の業績にも大きな影響を与える指標です。従業員満足度が高いメリットを再度ご理解のうえ、現状の課題に対して対策を立ててください。まずは従業員満足度を調査することから始めてみましょう。

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